【KiCad6.0】使い方まとめ回路編 – ArduinoのATMega328のブレイクアウト基板を作成してみる

kiCadを使っている中で、便利なコマンドや作業の流れについて説明していきます。特にkiCad6.0のUIでの説明がネット上に乏しい感じもあり、自分の為にもまとめておきます。今回作成したプロジェクトはそのままgithubに置いておきます。

KiCadの使い方:使い方まとめ基板編はこちら
このプロジェクトファイルはこちら

新規プロジェクトの作成

今回は例題としてArduionoに搭載されているATMega328のブレイクアウト基板を作成してみます。

まずはプロジェクトを新規作成しましょう。

するとプロジェクト名で回路図とPCBファイルが作成されます。

回路図エディターで回路図を作成する

Mouserでコンポーネントを取得する

Mouserなどでは電子部品のCADが配布されています。また、CADが配布されていなくても依頼をして無料で作ってもらえます。フットプリントの間違を防止するためにも、極力配布されているコンポーネント情報を読み込んで回路図やPCB図面を作成していく方が無難です。Mouserの場合、ECADモデルという項目が下の図のような表示であれば、フットプリントも3Dモデルも準備されています。

今回はピンヘッダーとATMega328のCADModelをダウンロードしました。

ATMega328

https://www.mouser.jp/ProductDetail/Microchip-Technology-Atmel/ATMEGA328PB-AN?qs=jy4bLUHv09gDoS2J01KCIw%3D%3D

ピンヘッダー

https://www.mouser.jp/ProductDetail/TE-Connectivity/5-146278-8?qs=bwpFY26eRVcIZ9yGOt9Bhg%3D%3D

シンボルを配置する

配置>シンボルを追加をクリックします。

ダウンロードしたCADモデルはsamacSys_Partsというフォルダに入っています。例えばATMEGA328PB-ANはこのようになっています。

よく使うショートカットキーの一覧を載せておきます。

ショートカットキー一覧

a シンボル追加
r選択しているシンボルの回転
y選択しているシンボルを反転
d選択しているシンボルのデータシートを開く
e選択しているシンボルのプロパティを編集
m選択しているシンボルの配線を切って移動
g選択しているシンボルの配線を接続したまま移動
q空き端子フラグの追加
よく使うショートカットキー

マイコンとピンを配置し終わりました。

恐ろしく簡単な図面ができました。

電源とGNDを設定し、PWR_FLAGをつける

KicadではPWR_FLAGと呼ばれるフラグで最低でも一か所ずつ、電源とGNDを明示しなければなりません。
配置の項目から「電源を追加」を選択します。

検索画面で「pw」と入力してみましょう。PWR_FLAGが出てきます。

非常に簡易に設定していますが、電源とGNDとPWR_FLAGをこのように設定しました。

空き端子には空き端子フラグを設定する

今回はすべてのICの端子を接続していますが、接続しない端子を明示するために、使わない端子には「空き端子フラグ」(×)を付けます。PWR_FLAGと同じく、「配置」の項目から選択できます。

アノテーションを実行する

抵抗値がR?になっていたり、ヘッダがJ?になっていたりすると思いますので、アノテーション機能で番号を割り振ります。

アノテーションができていない例

画面右上のアノテーションボタンをクリックします。

アノテーションを押して、アノテーション完了と出ればOKです。

エレクトリカルルールのチェックを実行する

次に接続されていない端子がないかなど、エレクトリカルルールのチェックをします。

アノテーションのボタンの隣にエレクトリカルルールのチェックのボタンがあります。

ERCの実行を押して、メッセージにERCを完了という文字がでればOKです。

BOMの出力

部品の発注に必要なBOMはこちらから出力できます。

「grouped by value」と「grouped by value with fp」の二種類があります。with fp ではfoot printまで出力してくれますが、通常は「grouped by value」を使っています。

プロジェクト名.csv」というBOMファイルが作成できます。

上の方に「Individual Components」として、各部品の情報が、下に「Collated Components」として、各部品の種類ごとに個数が表示されています。「Collated Components」を利用して発注します。

次回、基盤編に続きます。

今回の内容はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。